インドネシア

去年の11月に続き、インドネシアに行ってきました。去年のインドネシアはマレーシア視察が主で、インドネシアには一泊限りの滞在だったので、実のところ、インドネシアがどんなところなのか、あまりよくわからなかったのですが、今回行ってみて、こりゃ大変だとあらためて思いました。何せ、世界第4位の人口を要する国で、資源も豊富であり、つまりそのマーケットは、中国・インド・USAに次いで大きいのです。前回も思ったことですが、とにかく人々が元気です。10年前初めての海外渡航で上海に行ったときにも感じたことですが、とにかく人が生きています。

 

10年前… それまで飛行機に乗るのが怖くて(約0.1tの自分が飛べないのに、それよりも確実に思いジェット機がなぜ空を飛ぶのか、いまだに理解できません)、海外に行ったことがなかった僕が、「なぜか上海」というパッションにとりつかれて、とりあえず上海に行ってみたのですが、その時の「アジアショック」(「自分は今まで何をしてたんだろう」と反省に似た気持ちになりました)は、

① 人の生命の値段が安い

② 整ったところにはエネルギーはない

という2つのことでした。このことについては、また別の機会にお話しします。

 

その後も、年に数回は、上海に行ってその元気をもらって帰っているのですが、インドネシアの元気は上海の元気とは少し違うようです。インドネシアの元気は、上海のそれより怖い気がします。初めて上海に行った時のショックも大きかったけど、インドネシアのショックはもっともっと大きなショックです。インドネシア滞在中、それが何なのか、ずっと気になっていたのですが、そして、帰国後もずっと思い返してみるのですが、今ようやく思い当りました。インドネシアの元気は青年の不安定な元気で、上海の元気は壮年の成熟した元気です。両国ともに、いろんな面で、まだまだ整っているとはいえませんが、その程度に明らかな差があるようです。共産党一党独裁と共和制という政治体制の差かもしれませんし、宗教や哲学など人々の生活のよりどころの差かもしれません。いずれにしても、インドネシアの元気は、青年期特有のとがった元気で、いわば「坂の上の雲」のごとく、無限の可能性を信じさせるような大志を感じます。爆発しそうな危うい元気です。それだけに、その危うさの中に大きな大きなエネルギーを感じます。

 

たとえば、ウォーターベッドに体をあずけたときのごとく、この危うさが怖さと感じられる半面、ある種の心地よさがあるのは、きっと、インドネシアが基本的に日本と仲良くしようとしている国だからと思います。先の戦争における日本の姿勢がどうであったか、いろいろ議論があることは承知の上で、やはり、インドネシアの自立・独立に際して、日本という国が重要な役割を果たしたということだと思います。あらためて、日本の国に誇りを感じております。この点が、上海と決定的に違う点だと思っています。これからしばらく、インドネシア通いが続くと思います。その間、僕のこの思いがどう変わるのか、あるいは、変わらないのか、そして、これから、日本とインドネシアの国民がどう付き合っていくことになるのか、とっても楽しみです。