ボルネオ島(カリマンタン)

 

 先日とある人と偶然この島の話をしました。

 ボルネオ島には、日本軍の「死の行軍」の悲惨な歴史があります。彼らはひたすら、ジャングルの中を歩き続けて現地の人でも行かないようなところを行軍し、現地の人も知らないような木を発見したんです。

 そして、戦争を終えて日本に帰ってきて、住宅を作ろう、木が必要だ!ということになった時に思い出したんですね。「あそこにあんな木があったなぁ」と。そうすると皆ボルネオ島に木を求めていくわけですよ。そうすると日本軍が行軍したあたりはだいたい丸裸になってしまったんです。 

 日本だけでなくヨーロッパの国々も伐採を行っていましたから、島の木々は減っていくので東南アジア諸国は危機感を持ち始めます。その結果彼らは伐採の禁止令を出しはじめます。が、しかし彼らはそれらで利益を得ていたため、今度は森林伐採の権利を売りはじめました。結局伐採の勢いはとまらず、現在では熱帯雨林の80%が伐採され、人の手が加わりすぎた結果、環境破壊が進んで豪雨や鉄砲水といった災害が深刻な問題となっています。

 こういった災害は自然災害とはいわれていますが、これは人間が欲をかきすぎた結果ですから人災とも言えます。地球は人間が欲をかきすぎても怒ったりしません。異常気象というのは人間が木を切りすぎて自然の領域を侵した結果こうなった、早く気づきなさいという地球からのメッセージなのだろうとぼくは思います。

 二宮尊徳のいう「天道と人道」考えさせられますね!

文章:杉岡 茂

写真:伊丸 綾