香田くんのこと

香田くんは、僕の同級生です。そして、HELPのメンバーです。某周南市代々木公園前の某香田整形外科の某院長として、彼は日夜患者さんのために身を粉にして診察をしています。あれだけ気を遣いながら診察すると疲れるだろうに、と思うくらい一日中しゃべり続けています。彼との出会いは、社会人になってからですが、もう十数年前になります。HELPのメンバーである高校の同級生を介して知り合ったわけですが、最初から何かしら気が合いました。

 

知り合った当初、ちょっと膝が痛くなったので、不覚にも彼の診察を受けてしまったことがありました。まだ知り合って間もない、お互いに敬語でしゃべっていたころのことです。「あのー、膝が痛むんですが…」と言うと、彼は「じゃあ、まず検査をしてみましょう」と言って、テキパキと(今考えると、ジャマくさかったので、サッサと済ませたかったのだと思います)スタッフさんに指示をしました。かなりの時間をかけていろんな検査をして、もう一度診察を受けて検査の結果を聞きました。「こりゃあ、太りすぎじゃねえ!」彼は言いました。「テメエ、そんなことは検査せんでも見りゃわかるだろうがよ!」その日から、僕は整形のことで、彼のところへ行くことはありません。風を引きそうになったときには駆け込みますが…

 

この数十年の間、彼とはいろんなことを一緒にしてきましたが、最近、彼の医者魂を見ました。ある日曜日「骨とスジだか関節だかの日」の記念で、彼が講演をすると聞いたので、冷やかしに行ってみました。彼は、高齢者の不便を体験するグッズを身に着けて、「笑点」の音楽に乗って、若いスタッフに付き添われて登場しました。そして彼は、その場にいた人たちに「健康体操」を伝えることに見事に成功したのです。彼一流の洒落心もあるとは思いますが、老化を気にしている人たちに、ホントにこの体操をやってもらいたかったのだと思います。

 

これ、彼のお母さんが亡くなるほんの少し前です。そして、彼は、死んだ僕の父と母の命日には必ずメールをくれます。早くにお父さんを亡くしたこともあるにせよ、人の痛みのわかる人だと思います。間違いなく彼は名医です。何か僕の命に係わることがあったら、必ず彼に相談しようと思ってます。実は、あの膝が痛くなったときも、彼が帰り際に教えてくれた「寝る前にベッドの上に寝転がってする魔法の3分間の運動」で、いつの間にか治っており、それ以来僕の膝は痛みません。