ヒトの採用

 ベトナムのホーチミンのホテルで書いています。コロナが明けて1年が経ちましたが、思えばコロナの前後でアジアへ行く目的がまったく変わりました。コロナ前は、事業を海外に広げる企業戦略を応援するためにアジア各地を、企業経営者と一緒に視察していましたが、この頃は学生と一緒に大学を訪問することが主な目的です。

 アジアの大学訪問に目的が変わったのは、日本の人口減少の加速が大きな原因ですが、日本を取り巻く世界の様相が大きく変わったことで、海外の人材を採用しないと企業継続が難しくなってきたということをもあります。今現在の中小企業の経営課題の中で人材確保が最重要で緊急な課題です。なんせ中小企業は、なにがなんでもヒトが資本です。

 海外人材については、実習生制度でなはくマジで海外の人材を採用することを考える時期にきました。海外の労働力を安く使おうという思い上がりは早く捨て去ったほうがいいですね。ベトナムやタイをはじめアジアの学生たちはとても優秀です。何よりやる気がみなぎっています。また、アウトバウンドにせよインバウンドにせよ、海外との取引を考える中小企業は、まず相手国のヒトを採用するのが最良の戦略であることに気づくべきです。

 国内人材についても、これまで得意ではなかった新卒市場に進出しなくてはなりません。これからは中小企業の社長さんたちが20代か30代の若い「経営参謀」を起用することに踏み切れるか否かで明暗が分かれるであろうということです。それが大学在学中の学生であってもです。それがアジアの人材であってもです。

 国内人材であっても海外人材であっても、若者がきてくれるような会社にする努力をしない会社には若いヒトは来てくれません。これからの会社は選ばれる存在です。大企業も中小企業も同じラインに立ちます。中小企業にとってはチャンス到来ですね。いまだにタイムカードで出勤を管理している会社に若者は魅力を感じるでしょうか?給料よりは意味や意義を重く感じている若者の希望を応援する事ができるか、これが決め手です。

一方で生活費を確保し他方で自分のやりたいことをするために週休三日制を採ることができるか?休日や休憩の取り方も、そろそろ工場を前提にした労働を見直す時期じゃないでしょうか。もっと単純に、若いというだけで若者支援手当なんて手当を出すというとうなことでもいいかもしれませんね。誰かが言ってました。「若さはそれだけで正解なんだ」と。

文章 杉岡 茂