時代の変化⑶



 今回は③の側面から時代の変化を考えてみましょう。コロナ狂騒曲はとどまるところを知らない勢いですが、この騒ぎで最も加速する世の中の動きは情報通信技術の進展、つまりIT (Information Technology)あるいはICT(Information and Communication Technology)の進展でしょうね。このことによって、日本を完全に飲み込んでしまった世界の経済は、まったく新しい局面を迎えるのでしょう。そして、個人のレベルでも、分断生活の中の大事な結合手段としてリモートが進むに合わせて、老いも若きもみな何らかITのお世話になる時代が来ます。

 とても多くのデジタル技術の誕生と発達、例えばAI・クラウド・5G+ブロックチェーン、さらに量子コンピューターの登場など、発達の速度はとどまるところを知りません。このような技術革新によってIOT(Internet of things) つまり、人の手を通らずにモノとモノがつながる時代になりつつあります。冷蔵庫がなくなった牛乳を勝手にアマゾンに注文する時代です。このように時代は大きく変化しつつありますが、そのような時代の激変の中での中小企業の役割ということを考えてみたいと思います。

 われらが中小企業はこれら技術の開発ではなく、できあがったものを使うこと、上手に使うことを考えるべきです。ハードもソフトも見たこともないようなモノやコトが生まれ、そして進化し生まれ変わって行きます。それをちゃんと使いこなす人は最初からいるわけではありません。また、日本人は昔からモノを洗練するのが得意です。すでにあるものに工夫を加えてまったく新しいものに作り変えるのが得意です。「モノからコトへ」とか「製造業からサービス業へ」と言われることが多いこの時代ですが、であるからこそモノにコトやサービスをのせることもできるはずです。

 そして、今回のメインイベントですが、「グロボティクス」の進展です。今やAI・クラウド・5Gの結合によって、5G元年といわれる今年2020年から、世の中がさらに様変わりしようとしています。このようなICT技術の急速な進展によって、国際化GlobalとIT化Roboticsが融合して、グロボティクスGloboticsの世の中が始まろうとしています。たとえば、遠隔移民Telemygrantという存在の出現です。日本の会社が、海外の安い賃金の労働をその地のままで使うことができるということです。これはブルーカラーにとどまらず、ホワイトカラー労働にも起こることです。

 こりゃあ大変です。たとえば、会計事務所!これまでは、スタッフが一所懸命入力していたのですが、数字はすぐにデジタルデータになります。たとえば、銀行取引はインターネットバンキングの前提として、もうすでに数字をはじめとするデータがデジタル化されているということです。ということは、ホワイトカラーロボットか、あるいは遠隔移民の労働力がこれまでのスタッフの位置にとってかわるということです。しかし、このことは良く考えてみると、社員が職を失うにとどまらず、会計事務所自体の存在が必要ないということです。

 このことは会計事務所にとどまらず、いろんな業種業態の企業に起こりうることです。そして最大の問題は、今までに体験したことのない速さで、しかもいろんなことがいっぺんに変化するという変革がすでに始まったいるということです。ぼくの感覚は、今年がそのスタートの年になると言っています。なんせ今年は「庚子の年」ですから…「たにん事」だと思わずに、「じぶん事」として考えないと、人生の後半が土砂降りになったりしますよ。もうすいぶん使い古された「パラダイムシフト」が始まりました。どうなるのかわからないのが、ワクワクしますね!

文章:杉岡 茂

写真:伊丸 綾

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