小寒 二十三 / 二十四節気

新暦で1月5日ころ。

 この時期は天地が凍って霜と雪が交じる季節です。しかし、動物はすでに陽気の発生を感じ、雁ガンは北に帰り鵲カササギは巣を作り始める。小寒の節に入ることを「寒の入り」と言って、ここから立春までの1ヶ月が「寒の内」です。1月7日にはせり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな(かぶ)・すずしろ(だいこん)の春の七草を入れたおかゆをいただきます。

 新しい年はどんどん日が経っていきます。新年を迎える時には厳粛な気持ちで迎えますが、この時は気が充実しています。この新年の気をできるだけ長く保つことが肝要です。みかんの皮、ゆずの香りづけ、ネギやしそなどは気の巡りを促進するので、こういうものを身近においておくのがいいですね。お正月にいただくお酒おとそには風邪の防止などの意味があります。また、豚肉に含まれるビタミンB群は免疫力アップにいいですね。春菊もこの季節にいいでしょう。

 小寒の大事は保温です。お腹をさすりお湯で足を温めたりすることで血液循環を改善し、代謝を促進して寒さを追い払うのがいいですね。適度に運働して肢体を伸ばすことで、再び陽気を奮起して寒さを防ぐ能力を強めるというイメージですかね。また、深呼吸して新鮮な空気を肺の隅々まで吸い込みましょう。生まれた時の空気はずっと肺に残っていると言いますが、これを追い出すくらい吐いてみるのもいいでしょうね。横隔膜が動くことで内臓の働きがよくなり、気の生成にとてもいいと言われています。

 小寒の導引式では主に足の太陰経筋を伸ばします。足の太陰経筋は足の親指に始まりくるぶしで結びます。足の内側を伝って大腿骨の前に至り、陰部に集まります。上半身は腹の中を伝って肋骨に結び、胸の中に散布します。息を吸う時は重心を左足に移し、左手は下に押し右手は上に押し上げます。そして吐く時は、右に腰を回して足の太陰経筋をねじり引き上げます。息を吸う時は体を戻し、息を吐く時は両手を戻します。自分の状況に合わせて左右を数回繰り返してください。

文章 杉岡 茂