東洋とSEIYO


東洋とSEIYOという分け方をすることにも少し抵抗があります。それは、SEIYOの中にイスラム世界が入ってないにもかかわらず、世界はSEIYOと東洋で二分しているような印象を与えると思うからです。SEIYOとはキリスト教国の集まりであるヨーロッパとアメリカを指すと考えるのが普通の考え方でしょう。そのヨーロッパもアメリカも、大航海時代以前は今ほど大きな国力をもっていなかった。ヨーロッパは18世紀の産業革命によって世界が工業化社会を迎えて以降に力をもったのであって、それ以前は貧乏な農業国でしかなかったのです。アメリカもちょうどそのころ建国し、これまた貧乏な農業国から始まって今のように世界に影響力をもち始めたのは20世紀に入ってからのことです。むしろ、18世紀までの世界地図においては、東西の交易によってイスラム世界が力をもっていました。このようなことがわからないで、イスラム世界がざわついている現在の世界地図を理解することはできません。

ヨーロッパの諸国は、交易の相手であるアジアへの陸路を完全にイスラム世界に抑えられていたから、未知の海路を開拓しなければならなかった。つまり、アフリカ大陸の南を回って東進したり、大西洋を渡って西進してりして、アジアに到達するしかなかったのです。そして、産業革命を経て工業化社会の波に乗って、最終的には日本に到達します。

東進ルートは、インドやら東南アジアの国々を経て中国に至り、その先さらには日本に至ります。西進ルートはアメリカを経て日本に至るのですが、その東西のルートが日本において合流したのが第二次世界大戦ということになるというのが、これまでの世界史の流れではないでしょうか?
続きはまた!