菊池寛の短篇、「極楽」を読みました。
きっかけは芥川の「六の宮の姫君」ですが…
「内記の上人」が何のことか分からず、糸を手繰っていったら菊池の他の短篇にたどり着いたんです。
夫に先立たれた妻が、与えられた余生を功徳を積みながら過ごし、やがて臨終のときを迎える。
誰からも愛されて惜しまれながらも、本人は三途の川を渡って夫の待つ極楽へたどり着く。
久しぶりの再会と明るい光や鳥のさえずりに包まれた極楽に酔いしれる妻のとなりでなぜか浮かない顔をしている夫。
やがて永い歳月が経って、妻はとなりにいる夫に「一体いつまでここにこうしているの?」と尋ねる。
夫は「いつまでもだ」と不機嫌そうに答える。
そんなやり取りが何年
この「極楽」を読んで、生きてて良かったと改めて思いました。
だって、極楽は酷く退屈で、終わりがなくてはっきり言って面白くない。
生きていたら、思うようにいかないことや腹の立つこともあるけど、時々上手くいったりワクワクすることがあって、退屈しないでいられます。
明日何が起こるか分からないから、いつもトライしてみようという気になるし、上手く行かないことも、自分の謙虚さを思い出させてくれる大事なファクターです。
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