道草2

そもそも夜話塾の名前の由来は、二宮尊徳(幼名金次郎)が夜な夜な問わず語りにしゃべったことを福住正兄というお弟子さんが筆記した「尊徳夜話」にあります。この「尊徳夜話」は、僕の事務所の先代である町田武雄先生が、僕が約20年前にこの仕事に就いた時に、一番最初に薦めて下さった本です。町田先生は、僕なんか足下にも及ばない碩学の公認会計士でした。その町田先生にいただいた本を凌ぐものはないかと思いながら、いろんな本を読んできたというのが、僕のこの20年の読書遍歴です。

 

新渡戸稲造の「武士道」や佐藤一斎の「言志四録」など、「尊徳夜話」を凌ぐものがないかと探しましたが、読めば読むほど、味わえば味わうほど、「尊徳夜話」の偉大さがわかってきました。とともに、町田先生の偉大さがわかってきました。町田先生の読書量も、現代の日本人の中において、相当であったと思いますが、その町田先生が、「尊徳は凄い」とおっしゃっていたことからすると、二宮尊徳という人は、僕なんかが想像できないくらい偉大な人なんじゃないかと思う今日この頃です。

 

僕なんかが尊徳という大きな存在を語ることは、身に余ることではありますが、尊徳の考えの中で最も大事なことは、

・「正道は必ず世を益するの一つなり」という無私の精神と

・「かかる尊き天地の経文をほかにして、書籍の上に道を求むる学者輩の論説はとらざるなり」という徹底した実学の思想

に根ざしているということです。

 

尊徳という人は、戦前戦中において、軍国主義に利用されたようなこともあり、戦後その存在を抹殺されたような感がありますが、お金を持っている人が偉いという風潮の支配する現代において、偉人哲人の模範をすべき人物であることは間違いないようです。

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