ウエルビーイング〜part2

「自分らしく生きていい」これがウエルビーイングです。この中で考えなければならない課題とでも言いましょうか。たとえば、人と人との関係のことであったり、インクルージョンのことであったりとか、教育のことであったりとか、いろいろありますが、一番大事なことはやっぱり教育のことじゃないでしょうか。

人と人との関係も、マイノリティに関するインクルージョンという考え方も、これからの教育のあり方にかかっていると思います。「教育」は、学校教育に限定せず、また若いものに対する教育に限らずに考えないといけないと思います。「教育」というのは人を育てることを言います。この国においては学校教育に限られるような感覚が強いのですが、本来はそうではありませんね。みんなが面倒くさがって子弟の教育を学校におしつけてしまったのですよね。

本当は、人それぞれに対する教育とかその時その時の教育を考えなければならないのですが、我が国の爆発的な人口の増加から集団教育になってしまったのでした。多様性とか流動性を容認すること、平たくいえばみんな違っていいという感覚、いろんな観点から物ごとを見ることができる感覚、こういうものを大事にしていくことが大切です。

マイノリティとかインクルージョンとかを考える上では、他人事としてとらえるのではなく、回り回って自分に帰ってくると思うことが大事です。二宮尊徳は百年以上前から言っています。「一円融合」です。敵と思っているものも味方と思っているものも、天はなんら区別しない。敵が自分のためになっているということもよくあることです。人はそれを認めたがらないだけのことです。ぼくもこうは言ってますが、なかなかできたためしがありません、残念ながら…

もう一つ大事なことは経済格差をどう考えるのか、とくに国による格差をどう考えるかです。教育に対する投資というのは効果が見えないし、見えるとしても時間がかかるので「投資」ではなくて「コスト」としてしか考えられないことが多いようです。これに対しては、たとえリターンが金銭でなくてもいいと思うような思考ができるようになること、あるいはいつまでも成長を続けるという経済感覚をあきらめて諦めて脱成長にシフトすることなど、「現代人の断捨離」が必要なようですね。

文章 杉岡 茂