リベラルアーツ

 人間は自分のことを知るには、他と比べることでしか理解できない生き物のようです。一方で、他人と自分を比べると必ず不幸になります。厄介な生き物です。人間以外の動物は、自分と他者を比べることもないし他者より自分の方が幸せだとか不幸だとか思うこともない、と思います。ホントのとこはわかりませんが…

 「リベラルアーツ」という言葉が最近よく聞こえてきます。「リベラル」は自由、「アーツ」は技術です。「自由になるための技術」とでも言いましょうか。何にせよこれって、人が幸せを手に入れることに関係するんでしょうね。今のこの時代の幸せはちょっと前の幸せとは違っていると思います。価値観の多様化とか流動化とかと関係あるように思います。

 今の時代は、ここ数年で世の中の変化が巨大になったのと変化のサイクルがとても早いのとダブルパンチです。ついて行こうなんて考えない方がそれこそ幸せだと思います。もう一つは今の時代は人類史上初めて、個人が自分の考えで生きていくことができる時代にな離ました。社会や世間のいうことを聞かなくてもいいわけだし、先生や親のいうこともちゃんと聞いてる若者はごく少数派でしょう。

 価値観とか人生観とか夢や哲学などが、どんどんその内容を変えていく。その中で私たちは自由に生きることができる時代を迎えました。先人たちの苦労のたまものだと思います。しかし反面、生き方や価値観を自分の頭で考えて決めなければいけないのです。

 自由に幸せに生きるためには、いろんな価値観を知っていること、世の中を広く浅く見渡すことができること。そして自分の生き方をいろんな視点から見ることのできること。自分を外から見ることができること。こういうことができるようになるのがリベラルアーツなんじゃないかなあ…

文章 杉岡 茂