処暑 十四 / 二十四節気

新暦で8月23日ころ。

 処は去を意味し、処暑とは暑さがおさまると言う意味です。処暑は陽が消え陰が増える移行期で、暑さはまだまだ続きますが、しのぎやすい日も混ざるようになります。養生は徐々に進めて季節の変化に体を慣らすことが大事です。

 涼しくなるにしたがって、お祭りが多くなって季節の変わり目を感じることが多くなります。季節の変わり目には、アレルギー体質が顕著に表れます。現代のアレルギー体質への対応には決め手があるわけではないのですが、日本の古来の食生活や生活習慣を見直すことが有効かもしれません。日本人の体質には、味噌、醤油やぬか漬けが合います。アレルギー体質の改善に有効な腸内細菌を生成するとされています。

 急に涼しくなって風邪をひく人が多くなります。ひきかけたら深―い呼吸が有効です。まず息をすっかり吐き切って、そしてその後にゆっくりきれいな空気を体の奥まで吸い込むことです。きれいな空気のために、休みの日に山や海の自然の気を浴びることをお勧めします。また、できるだけ自然界のリズムに合わせて夏の無理を回復すべく早寝早起きを心がけましょう。

 この時期の食べ物では、銀杏、大根、ビワなどがいいようです。このごろの料理は味が濃厚で複雑になってきています。しかし、濃い味付けは塩分の取りすぎとなり、肝臓や腎臓という歳とともに大事になる臓器の疲れを起こしてついには体調を崩すことにつながります。気をつけなければなりません。

 処暑の導引式では主に足の少陽経筋を伸ばす。足の少陽経筋は第四趾から始まり、くるぶしを伝って足の外側を上り、体の両側を通じて頸部に達し、耳の後ろに沿って頭の両側に分布しています。息を吸う時は左に腰を回しながら両腕を動かし、息を吐く時は右手で左股の前を、左手で右股の後を軽くたたきます。左右に腰を回してたたく動作を股から腰、腹部、胸、背中へ繰り返し、次いで逆に下へと繰り返します。

文章 杉岡 茂