台湾行

 8月の終わりに台湾へ行ってきました。周南公立大学の高田学長と一緒に、大学の交流を目的に行ってきました。台風の襲来で一日早く帰国したことで今回は一校だけの訪問となりましたが、ぶじに大学間交流の合意書に調印することができました。

 お相手は国立台南大学ですが、かなり立派な大学でした。学生数約4000人の総合大学です。台湾という国は、北部の台北、中部の台中、南部の台南・高雄地域の3地域に三分されます。今回は台中の大学も訪問する予定でいましたが、台風のせいで台南の大学だけになりました。

 今回の台南行きで一番印象に残ったことは、台南大学の記念・顕彰室で見た歴代学長の写真です。初代から四代か五代までは全員日本人です。歴史を少し知っている人なら、そのこと自体はなんら驚くことではありません。が、実際に写真に日本人が残っていて、今も顕彰して下さっているのを見るとやっぱり感無量です。

 台湾の国立大学の多くは、日本がそれぞれの設立に深く大きく関わっています。欧米の植民地における大学は本国の国民のみがいく大学です。台湾や朝鮮半島において日本が中心になって設立した学校は日本人というよりは現地の人たちが行く学校です。その国の人たちの自立・独立を目的とした学校です。上に言いました歴代学長の写真の見れば、それがわかります。

 ロシアのウクライナ侵攻みたいに中国が台湾に侵攻するのではないかということもささやかれており、現在台湾はとても危険な状態にあると考える人も多いでしょう。何ができるかわかりませんが、仲よくすることだけはできます。政治の世界のことはさておき、もっと友好を深めて危機を救う手助けをしたいと強く思いました。東北大震災から原発事故の一連の、もしかして日本史上最悪の大災厄に際して、台湾はいち早く救いの手をさしのべてくださいました。やはり隣国は持ちつ持たれつですね。

文章 杉岡 茂