夏至 十/二十四節気

 新暦で6月21日ころ。

  夏至は、北半球では一年で最も昼の時間が長く夜が短い日です。日本では梅雨の最中で、一年で農耕の黄金期と言っていいでしょう。夏至を過ぎると、気温はさらに上昇し夜が長くなり始め昼が短くなる。最も陽気の盛んな時期で、同時に陰気が芽生え始める時期でもあります。そのためこの時節の養生は、陽気が身体の表面にあるという特徴に従って、陽気を保つことを旨とするのがいいようです。

   夏至引導式は芒種と同様、手の少陰心經を伸ばします。少陰心經は、小指の内側から肘の内側まで下りわきに入って胸の中に終わり、横隔膜を下って小腸へいたる経絡です。息を吸いながら両手の十指は交差して胸の前まで上げ、片足を一歩後退させて体を後ろにして座って、交差した両手の十指を返して前に押します。手の少陰心経を回しながら伸ばすと言うことです。そして、息を吐きながら後退した片足を戻して両手をおろし腰の両側に戻す。これを自分の状況に合わせて左右交互に繰り返します。

   夏は五行でいうと「火」に属します。夏至の時節には、苦みのある食べ物が真夏の暑さを発散し食欲を促進してくれるようです。お茶も有効です。小豆は夏食べると心臓にいいようで、体の中の水分代謝をよくしてくれるようです。

 この時期は一年のうちで一番の頂点に達し、次の流れに乗り換える時期です。神仏に関する感謝の気持ちを表してみるのもいいでしょう。断捨離とか夏越しのお祓いとか、何かを捨ててみるのも大きな効果があるようです。気の充実に心がけてみるのもいいでしょう。まずは呼吸法から。口で吸って鼻で吐くと「情熱」、鼻で吸って鼻で吐くと「愛」、鼻で吸って口で吐くと「浄化」、口で吸って口で吐くと「自由」と手に入れることができるなんて言います。さて、今日はどれで行きましょうか。

文章 杉岡 茂