大暑 十二 / 二十四節気

 新暦で7月23日ころ。

 一年でもっとも暑い時期で、夏の最後の節気です。真夏日や熱帯夜が続くのもこのころです。7月の終わりには各地で花火大会が催されます。花火のお祭りに浴衣なんぞいいですね。「夏の風物詩」という言葉は花火と浴衣のためにあるようなもんですね。あ、あと金魚すくいも…

 この時期は、暑さが最も厳しくなって、雷や暴風雨が頻発し、雨量も豊富である。反面、長い夏は冬よりも持病を抑えられ、冬に生まれた疾を治療する良い時節である。お灸をすることで、速体内の寒湿を素早く追い払い、人体の元気を補うことができるので、虚寒性体質の人にはいい季節です。

  大暑の引導式では主に手の太陰肺経を伸ばします。手の太陰肺経は小暑の時と同じですね。息を吸いながら胸郭を内側に収め、両手はしっかり握って腕を内側に回して下に押し、頭を回し、下顎は片方の肩関節に寄りかかるようにして姿勢を保持します。こうやって、手の太陰肺経をねじりながら伸ばします。そして、息をゆっくり吐きながら胸郭を伸ばし、体を正面に戻す。自分の状況に合わせて左右交互に繰り返す。

 熱中症を予防するため、屋外での運動時間を減らすよう気をつけ、散歩は朝か夕方がいいでしょう。そして、散歩しながら自分のことを思うのもいいでしょう。易の極意に「自分も変わる、相手も変わる、まわりも変わる」という考え方があります。そんなことを思いながら、自分とは何かとか自分の本当にやりたいことは何だったか、なんてことを考えるのもいいですね。

 豆腐は一年を通じていいのですが、この時期は格別です。うつ予防、ストレスや更年期障害の改善など毎日冷奴もいいですね。人参、枝豆なんかもこの時期の食べ物です。そうめん、冷や汁、トマト、なす、スイカ。さんまなんかもそろそろ出てきて、季節が夏から秋を経て冬へ変わっていくのを楽しむ季節です。

文章 杉岡 茂