寒露 十七 / 二十四節気

新暦で10月8日ころ。

寒露は秋の五番目の節気で秋の深まりを示します。涼しさが寒さに変わり、露が凝結して霜になります。秋の夜長に虫の音が大きく響き、山も色づき始めます。収穫を祝う行事が多く、伊勢神宮でも米の初穂を祝う神嘗祭が取り行われます。

漢方医学では寒さは足元に始まるとされ、寒露の時期は足の保温に注意し、寝る前に湯に足を浸すことで風邪を遠ざけ、さらに血液循環を促すのが良いとされます。

まさにスポーツの秋。自分に合った運動を存分に楽しむのがいいでしょう。ただ、ランニングなどは気をつけなければならない点がいくつかあります。マラソンを始めると、エンドルフィンなどの脳内麻薬が出て快感となってやめられなくなったり、アスファルトの硬さに負けて膝を悪くしたり、というようなことに気をつけましょう。せっかく体にいいことをするにも、あんまり無理をせずほどほどを心がけることが大事です。

この季節は、中国ではなんと言っても上海蟹を味わう季節です。「馬肥ゆる秋」というように、食べ物がおいしい季節です。柿、栗、イチジクなど旬の食べ物を口にするよう留意しましょう。また、水分の多い食べ物が多くなりますが、コーン茶やハト麦茶によってむくみのコントロールが必要です。水は気に大きな影響を与えます。

寒露の導引式では主に足の太陽経筋を伸ばします。足の太陽経筋は足の小指から始まって、くるぶしから足の後ろへ上り臀部を通じて背を挟みつつ項部から頭へ上った後、額から下って鼻で終わります。息を吸う時は両手を体の前から上にあげて耳の下に置き、つま先で立って両手を上げ、体を左に回します。息を吐く時は体を正面に戻し、手を両側から下ろす。これを、自分の状況に合わせて左右数回行う。

文章 杉岡 茂