小満 八/二十四節気

新暦で5月21日ころ。

 小満は夏の第二の節気です。この時期には、夏に熟成する様々な作物が豊かになりつつあるがまだ完全に成熟には至らない、そんな時期にあたります。「小満」の名はここからきたものでしょう。草木が天地に繁っていのちが徐々に満ちてきて、気温も上がってきます。

 前回は赤い食べ物のお話をしましたが、赤い洋服、持ち物や家具なども有効です。飲食はさっぱりして薄味の食事とし、解熱、湿気除去、脾臓の働きを促し、元気をつけるようにします。暑くなると、血管が広がって肺の働きが追いつかなくなって息切れがちになります。気がついたら深呼吸をするようにして、気を整えるのがいいでしょう。

 この時期はスイカ、玉ねぎ、苦瓜やスナップエンドウがいいでしょう。魚ではキスや紫うに、まな鰹、まな鰹の幽庵焼きなんかサイコーですね。ぼくの好みもありますが、新玉ねぎの味噌汁なんかもいいですね。新茶も出るころです。柏餅なんかもこの時期ですね。花は芍薬とかカーネーション。潮干狩り、下駄箱掃除、母の日もこの時期です。

   小満は初夏で気温が高くなり、降雨量も増えて湿気と熱気のまじわりが生まれる時期にあたります。人体の脾は暖かく乾燥した環境を好み湿気が苦手なので、小満の養生は脾臓の働きを促し湿気を取り除くのがいいとされます。小満の導引式は、立夏の導引式とどうよう手の厥陰心包経を伸ばすことをします。小満の時期は、心の平和と足るを知る心理状態を保つことに注意するといいようです。

文章 杉岡 茂