徳山大学

 徳山大学の高田学長のご高配により、8月24日からRYDEENは徳山大学の一角に、「RYDEEN徳山研究所」という拠点を置くことになりました。大学とRYDEENとで、主に中小企業経営についての共同研究をすることになります。中小企業の経営を研究し、経営者や後継者、起業者の育成、実践をしている大学は日本でも例がないこともあって、RYDEENとしてもとても楽しみであり期待もしています。これからのこの国の経済は中小企業が担うことになります。その意味でも、一隅を照らすという思いを忘れずに、一歩一歩着実に前進したいと考えています。

 大学正門からすぐでロケーションも最高だし広さも十分で、何より若い人が近くにいるのがとてもいいですね。RYDEENが設立当時からずっとこだわってきたCUBが形になったという実感があります。CUBというのは、地元企業Companyに地域の大学Univercityの力と地域の銀行Bankの力とを結びつけることによって、地元の経済を活性化させて若い人が定着できるようにしようという考え方です。地方創生の一つの形と言えるでしょうか。

 ここ徳大でやりたいことはたくさんありますが、いちばんやりたかったことは若者の育成です。これはぼくのライフワークになります。今いちばん憂うべきこの国の課題は、自殺者の数が世界一ということです。しかも若い人が自ら命を断つ。こんなことでは、これまで日本国を創り育ててこられたご先祖さまや先達の方々に顔向けができません。とにかく大人の責任において、若いもんが生きやすい世の中にせねば… 

 これはもはや教育改革とか学校改革とかという段階のことではないでしょう。大人が、近くにいる若いもんとどう関わるかの問題でしょう。上手でも下手でも、大人が若いもんと言葉を交わし、一緒に何かをすることでしょう。ノブレスオブリージュを持った中小企業のおやじに率先してやってもらいたい。若いものは、現下の課題である労働力の不足ということもあるけど、そもそも国の宝です。国の力の源泉です。つまり、中小企業のおやじの子どもです。

 やりたいことはたくさんたくさんありますが、まず「うまいもんとバイトと自由をあげる あとは自分で考えろ」だと思います。学生時代は、カネはなくともうまいもん、です。レストランやサロンなどのゆったりと過ごせる快適な空間があれば、誰彼となく集まって対話が始まります。仲間ができるということですね。これが大学時代という一見無駄な時間を過ごす一番の利点でしょうね。

 そして、次にそうは言ってもカネ、です。卒業して社会に出るときには学生ローンをかかえている今の学生さんはかわいそうです。社長さんたちは拱手傍観するつもりか。社会に出る準備をしながらおカネを稼ぐバイトを提供することは社長さんにとっても願ったりのはず。学生時代の若者にもとても大事なことです。できるだけいろんな体験をするには、人間扱いしてもらえる中小企業で色々やってみるのがいいでしょう。就職先を探しながらのバイトというのもいいですね。

 これに住居とバイクやeバイクなどの移動手段があれば、学生はもっと自由で充実した学生生活を送ることができます。こんなものを学生に提供して、若者を育てるのは大人の責任です。ノブレスオブリージュを持った中小企業の社長さんたち、若者育てましょうよ!まずは「哲学サロン」へ来てください。哲学をやるということは、今までの常識をすっぱり捨て去って、リミッターをはずすということです。若い人にも自由にものを考えてもらすために…

文章:杉岡 茂

写真:伊丸 綾