白露 十五 / 二十四節気

新暦で9月8日ころ

 白露は仲秋の始まりです。自然界の寒気が徐々に進行し、日中はまだ暑いものの朝夕には涼しさを感じることができます。昼夜の温度差が拡がって寒さが結露を呼び、朝露が白く凝結することから白露の名があります。この時期は自然界の「陽」がだんだん収まり「陰」が上昇します。発汗に注意して肺を大事にして脾臓を健やかにする意識で陽気を守るよう心掛けるのがいいでしょう。

 9月9日は重陽の節句です。収穫祭の意味合いがあり、栗ごはんなどで祝います。 冷気が徐々に強くなるので、この時期はできるだけ体表を衣服で覆い、冷たい物を控えて風邪に注意する必要があります。萩、すすき、葛、なでしこ、おみなえし、藤袴、桔梗と続く「しぶい花」のラインナップを楽しむことができるのもこの季節の醍醐味です。 

 れんこん、しょうが、山芋、里芋、梨、カンパチなどがありますが、なんと言ってもお米に勝るものはありませんね。また、ストレス社会には激辛がいいとされています。わさび、しょうがをはじめ、ニンニクやねぎ、大根などがうつ改善やストレス改善にいいとされています。

 白露の導引式では主に足の陽明経筋を伸ばします。足の陽明経筋は第二、三、四趾から始まって足背に集まり、足の表から腹部、胸部、頸部を通じて口と鼻のそばに至ります。息を吸う時は両手をしっかり握って骨盤を押し、前足裏に重心を置きながら背中を前に伸ばして頭を回して左上を見ます。これによって足の陽明経筋をねじりながら伸ばすようにしてみましょう。息を吐く時は体を正面に戻し、両手を下ろして終わりです。自分の状況に合わせて左右数回行うといいでしょう。

 秋は適度な運動で心の安定をはかることが大事で、あまり感傷的にならずに秋の穏やかな気分に合わせることを心がけるといいでしょう。胸を張ってしっかり呼吸をすることがこの季節にはいいようです。そして自分の身をかえりみるのもいいですね。未来は過去の延長線上にしかありません。これまでの人生をゆっくりじっくり味わい、そしてそのさきに自分の未来を描いてみる、なんて優雅な秋でしょう…

文章 杉岡 茂