立夏 七/二十四節気

 新暦で5月5日ころ。

 立夏は夏の最初の節気で、北半球が夏になることを示します。農作物はすくすくと成長し始めるころです。どんどん夏が近づいて新緑がまぶしく心地よいとても柔らかな陽気で、さわやかな風が吹く五月晴れの季節です。緑がだんだん深くなって田んぼに水が入ってカエルが鳴き始める季節でもあります。

 この時期は紫外線が最も強くなる季節です。紫外線予防には気を使うようにしましょう。また、夏は早寝早起きが肝心です。日の出とともに起き出すことから始めてみませんか。夏は昼が長く夜が短いので睡眠不足になりがちです。気力を保つために適度な昼寝するのもいいでしょう。

 この時期は赤い食べ物がいいようです。トマトとかクコの実です。赤い色素成分リコピンの抗酸化力は最近大きな注目を集めています。抗ガンやアンチエージングに効果があるようですね。さらに、暑いからといって冷たいものを飲むことが増えるので、えびやコーヒーで体を温めることも大事なようです。

   陰陽五行で夏は「火」に属し、漢方医学では五臓の「心臓」が関係しているようですね。夏は心の陽気が最も盛んで、暑くて汗をたくさんかくようになります。気を消耗しやすいので、この時節の養生は陽気を守り、心を養うことが大事です。

 立夏導引式では、主に手の厥陰心包経を伸ばす。手の厥陰心包経は、手の中指から肘の内側まで上り、上腕の内側を経て腋の下に至り、下って脇の前後に散布している経絡です。息を吸いながら足を上げ両手の指を交差し、膝を抱いて上体を後屈して、逆方向へ膝を伸ばすことで手の厥陰心包経を伸ばします。しばらくして、息をゆっくり吐きながら足を下ろし、交差させた手の指を放し、腰の両側に手を置く。自分の調子に合わせて左右交代に繰り返します。

文章 杉岡 茂