都市の地価

  世界的に都市の地価が上昇しています。日本国内にいるとよくわからないのですが、このコロナ狂騒曲の大音声の中、先進国とか新興国の区別なく都市の地価が上がっています。日本においては東京に限られたことかもしれませんが、東京の地価は今も上がり続けています。これに対して、地方の地価は今後も下がり続けます。こんな様子を見ていると、いつかこの世界は国という単位よりも都市という単位で動くようになるのかもしれません。中世のベネチア共和国や現代においてはシンガポール、モナコのような都市国家みたいに…

一方コロナによって、都市と地方の別なく、リモート環境が考えられないほど急速に大規模に進みました。これによって、都市と地方の「経営環境」の差は確実に縮まったと考えられます。地方でも十分事業を成長させる環境は整ったように見えます。しかし、「経営者の意識」には大きな距離ができてしまったように思います。つまり、都市の経営者は「今がチャンスだ」と思っている一方、地方の経営者の間には「コロナだからしかたないね」という空気が支配しているように見えます。

地方の中小企業の経営者は、このことの意味を今真剣に考える必要があります。要は経営者の意識のもちかたで勝ち負けが決まるということです。都市に集まっているのは確かに人ですが、人のもつ「熱い想い」が集まっているのでしょう。大きく変わる時代を背景に、「エンタープライズ」冒険心とか進取の精神とか試行錯誤とか、とにかく「よし、やってやろう」という「熱い思い」が集まっているのでしょう。チャンスが集まっているともいえます。地方で会社を経営する社長さんたちもこのフォローウィンドにのらなきゃいけません。

 リモート環境を駆使することもできます。そろそろ移動を自由にして経済を回していかなきゃいけないという空気も生まれてきましたので、リアルの力を取り戻して東京をはじめとする都市に行くこともいいでしょう。広島や山口の経営者からすると、福岡というまちもいいですね。福岡は地方都市にはめずらしく、人口も経済も伸びているまちです。空港がまちに近いことから東京やアジアの各都市までの距離がとても近いということですかね。いずれにしても、地方の企業が自主独立の気概をもって、リモートによって都市のチャンスに参入することの価値はとても大きいと思います。心の中の距離って大事ですね。

 都市に集まるのは人の「熱い想い」を媒介とした情報です。そして、本当に重要な情報はデジタルを通しては伝わらないようです。やっぱり人から人へ伝わるもののようです。リモートを利用して人とつながることは簡単にできるようになりましたが、重要な情報はやっぱりリアルで、つまり「人から人へ」伝わっているようです。地方において有用な情報を持ってる人はやっぱり都市とのコンタクトが大きいようです。

 情報の重要性は日毎に高くなっています。無形資産とかオープンイノベーションとか色々な言い方をしますが、とくに経済的価値は「モノからジョウホウへ」移ろうとしています。ジョウホウというものに乗ったチャンスが都市に集まっているということでしょう。このことが世界的に都市の地価を押し上げている大きな要因だということでしょうか。

文章 杉岡 茂