知財・DXの時代

 知財つまり「知的財産」についての情報が、最近たくさん流れるようになってきました。「知的」というのは「情報」というくらいに思えばいいでしょう。「財産」は経済的価値のあるものつまり「金になるもの」と考えると、「知的財産」とは「金になる情報」です。「無形資産」という言葉も最近よく聞きます。形のないもので金になるものってやっぱり情報ですが、無形資産の方が知的財産よりも少し広い意味をもっているようです。

 DXはDigital Transformationの略語で、ビジネスの世界では「デジタル技術を使ってビジネスや業務を抜本的に変革すること」を言うようです。一方、ITはInformation Technologyで「情報技術」です。DXは、IT=情報技術のうちデジタル技術を使うことですから、まずはDXはITの範囲の中のことです。そして、「DX」は「ITを手段」として「ビジネスの変革」という目的を達成することです。ITとDXは手段と目的の関係に立つと考えるとわかりやすいかもしれません。

 それでは、「知財」と「DX」の関係やいかに… 情報がお金になる時代になったことによって、情報にまつわるいろんな言葉がいろんな場所で立ち上がって、一人で歩き出したように見えます。ちょっと立ち止まって整理してみましょう。まず、知財もDXも「情報」に深く関係します。DXはビジネスの世界でお金儲けのために情報技術を使って事業を再構築するということです。知財はまさにお金になる情報のことですから、結局DXは、知財などの情報をデジタル技術を使ってお金にすることということになります。

 DXは新しい言葉です。知財は古い言葉ですが、知財は今どんどん変わろうとしています。ITの目覚ましい発達発展、とくにスマホの出現によって世の中は大きく激しく変化しています。人類の生活に歴史的な衝撃を与えました。ビジネスは言うまでもなく人々の生活に基礎を起きますから、生活のしかたが変わる中でビジネスも変えていかなくてはなりません。こんな大激動の時代の中で知財が変化していくのも当たり前のことでしょう。

 世の中の流れに乗ることが会社経営の極意です。会社のデザインを世の中の流れに合わせて変えていくことです。経営資源つまり儲けの源泉は長い間「カネ・ヒト・モノ」と言われました。この中に「ジョウホウ」が入ってきて大きな比重を占め、今後もビジネスの中にど〜んと居座ることになるでしょう。

 18世紀以降「産業革命」によって、農業社会から工業社会へと世の中が大きく変貌しました。それと同じ勢いで今度は「IT革命」によって、工業社会からコミュニケーション社会とでも言うべき社会が出現しようとしています。工業をはじめとする生産業から商業やサービス業の世の中になろうとしているのです。このことに関しては、「モノからコトへ」とか「所有から利用へ」とか色々な表現でいわれています。無形資産の価値が飛躍的に高まった、つまりこれからは無形資産で金儲けをする時代になったと言うことです。

 世の中の基本的なルールが変わろうとしているのですから、この変化に合わせて会社の経営を変化させないと、時代とともに会社そのものが世の中から消えていきます。日本はいろんな面で世界を先駆けて進んできました。しかし、この先進したことにおごってしまったようです。先進したことに安心し安堵している間に、まわりの国がさっと追い越して行ったのです。元の成功体験があるだけに変えることが難しい、変えることを嫌がっているのが今の日本でしょう。とにかく変わること動くこと、つまり「機動力」と「進取の精神」が一番大事です。 

 文章 杉岡 茂