ユニット事業

 この世の中の変化の大きさと激しさはどうでしょう。今後の中小企業の事業の行方も大きく変えなくてはなりません。中小企業においては、会社力=社長力です。社長さんがこの時代をどう思うかにかかっています。「こりゃ大変だあ…⤵️⤵️⤵️」と思う人と「よっしゃ、なんでも来い⤴︎⤴︎⤴︎」と思う人とでは天と地ほどの違いです。まずは、社長さん自身が「こんな時代に巡り会えるなんてお腹いっぱい幸せ!」と思うです。

 そう思うにはどうするか。変化に適合することに集中することです。流れに身を任せて変わっていくことです。じゃあ、変化に合わせて自分や自分の会社を変えるにはどうすればいいか。

  • できるだけ多くの情報に接することと発信すること
  • いろんな人や会社の得意技を結合させること

でしょう。つまりジョウホウとヒトです。①は今の世の中では当たり前のことですし、②も近ごろではオープンイノベーションとかコンバージェンスなどといって世界の大きな流れです。日本の中小企業も乗り遅れてはいけません。まずは「結合の時代」ということを知らなければなりません。中小企業相互の結合はとくに意味のある破壊力のあるものだと思います。そして、「結合」という技は日本人の得意技ですよね。なんせ国の初めから、和をもって尊しとしてますから。

 まずはジョウホウについて。②の得意技をたくさん集めるためにも情報が必要です。情報を集めるためには、まずは自分から発信してみることです。発信するとあ〜ら不思議、情報って集まってきます。もう一つ、集めた情報は使わなければなりません。その際、自社の利益に向けて情報操作できるといいですね。昔のスパイ映画とか三国志のような諜報作戦までいくと行き過ぎかもしれませんが、世界のIT業界はまさに諜報合戦の様相です。

 次にヒトについて。コロナ狂騒曲はこの社会にいろんな変調をもたらしましたが、人と人との距離を遠ざけたことは間違いないでしょう。その流れに乗るのがいいのか、あえて流れに逆らうのがいいのか。どっちもOKでしょうが、日本人としては伝統に従って「結合」に向かってみるのがよさそうです。人と人を「結ぶ」ことの大切さを考えてみましょう。

 得意技をもってる中小企業の社長さんはたくさんおられます。なんせ趣味人が多いですからね。自立して自分の意思で生きることが好きな人たちです。自分の得意技を生かして好きに生きようとして会社を立ち上げた人たちだと考えると、ある意味当たり前のことかもしれませんね。また、社長さんだけでなく社員の中にもおられます。とくに職人芸の得意技を持ってる人は中小企業の中には多いでしょう。人の持つ得意技を結ぶことはとても大事です。そして、その結合が固いものでなく緩やかであることが、もっと大事です。

 そこでRYDEENは「ユニット事業」という、中小企業と中小企業の結合を進めています。「ちょうどいい間のとりかた」というのがテーマです。M&Aもユニットの一つの形でしょう。それぞれ自立独立したいくつかの存在が、新しいものを創り出すという一つの目的に向かって和を作る、つまり緩やかに結合するのがユニット事業です。「間(ま)」という日本語がありますが、日本人はこの「間のとりかた」がとても上手です。

 日本の中小企業がちょうどいい「間」で集まって、知恵と技を出し合って新しいものを創り出すのを見たいですね。いずれにしても、日本の中小企業の「生き筋」は、ユニット事業と海外展開に見出さなければいけないような気がします。鳴神道場の卒業者で構成する鳴神OB会はこのことを最大の課題と考えています。

文章 杉岡 茂