Work-Life Blend



 コロナウイルス騒ぎの残した跡… いろいろありますが、意識するとしないとにかかわらず、時間の過ごし方はそれぞれかなり変わったのではないかと思います。リモートワークになった人はなおさらでしょう。プライベート時間の過ごし方とかスキマ時間の使い方とか、コロナ前から少しずつ人々の時間に対するマインドは変化していたように思います。コロナ騒ぎによって加速したというところでしょうか。

 まず、プライベート時間については、家族でいる時間が増えて家カラオケをしたりさまざまなゲームをしたり、それまでにはなかったような風景が出現したことでしょう。今はやりのアプリゲームやボードゲーム、昔ながらのゲーム、トランプ、麻雀、花札などなど… 忘れていた記憶がよみがえる懐かしい感覚まで連れてきたりして。

 一人の時間も、いろんな側面で変わってきたように思います。カタマリ時間とスキマ時間の重さが逆転したかのように見えます。わずか5年前には、ほとんどの人にとって、カタマリ時間の方が圧倒的に重要な時間だったように思います。今は多くの人がスキマ時間の方が重要になったと思っているのではないかと思います。スマートフォンの威力は絶大です。

 世間のマインドの変化に合わせて、事業の考え方も変えなくてはいけませんね。時間と空間を合わせて考えるのもありでしょう。アトリエとかスタジオとかラボとか名前をつけて自分の時間と空間を持つこと、そしてそこで自分の人生のデザインをするなんて、なんかいいですよね。いずれにしても、時間の過ごし方の変化がこれからの社会や生活を変えていくような気がします。 

 プライベートの時間、仕事の時間、一人の時間、人はいろんな種類の時間を過ごしています。それぞれにカタマリ時間とスキマ時間があります。いろんな時間をじっくり考えて新たな事業分野を切り開くことはそうむずかしいことでもないような気がします。

 この時間に関して、世間では働く時間の変化が取り上げられることが多くなりました。若い人の仕事や時間に対する、と言うかいろんな側面に対するマインドの変化を反映しているのでしょう。いわく、ワークライフバランス。うーん、あんまり幸せそうに聞こえません。ぼくはワークライフブレンドがいいなあ。仕事が遊びで、遊びが仕事だと幸せそうだ。ワークライフバランスだと、ワークとライフが別々で、仕事はやっぱり辛いものだというのが前提ですもんね。

 フリーターとかフリーランスとかいう若者の望みはどこにあるのか。私たちおじさんは、素直になって時間と向き合ってみることが大事なのかも。

文章:杉岡 茂

写真:伊丸 綾