YouTubeとPodcast~RdioGaGa再考

 QUEENのボーカルFreddie Mercuryの曲にRadioGaGaというのがあって、このブログでも前に取り上げたことがあります。GaGaというのは夢中になるという意味があって、この曲の日本語訳は「ラジオに夢中」とでも言いましょうか。1984年当時は曲の題名にもあるようにラジオとテレビの対決でしたが、今やYouTubeとPodcastの戦いです。50年のときの流れですね。Time flies! 驚異の変化も現代の大きな特徴です。

 いずれにしても映像、画像や動画を伴うものか、音声だけで勝負するものかの違いでしょう。RadioGaGaにおいては、ラジオくんもまだまだイケてるよ、ぼくは君のことが好きだよっていう感じで、テレビの優勢ラジオの下火という時代の趨勢を描いていたと思います。

 でもそんな消極的な意味合いではなく、Podcastの大波がそこまできているのではないかと真剣に思っています。もうぼくたちはそう欲しい「もの」もなく、どうしても所有したいということもない時代を迎えました。「いつかはクラウン」というCMもありましたが、今は昔です。産業革命によって生まれた「もの」の時代は終わったのです。

 今は気持ちよさとか心地よさとかを求める時代です。こういうことをぜ〜んぶひっくるめてWelbeingって言ってるんでしょうかね。つまり形のないものを求める時代になったというのは間違いのないことのようです。「もの」を売る時代は画像や動画が有効でしょうが、形のないアイデアとか共感とかを売るには画像はむしろ邪魔でしかありません。音声によって、何を考えているのかをじっくりじっくり語ることが大事です。

 私たちが何かの画面を見る時には8割から9割の意識が目に行ってるんだそうです。まあとにかくショッキングな映像や画像に頭を占拠されて、思いやるとか想像してみるとかいうことはありません。多様性と流動性の時代にあって、いろんな立場の人と共生していくには、とにかく想像力が不可欠だと思いますがいかがでしょうか。ぼくはPodcastが好きだなあ… 運転しながら聴けるしね。

文章 杉岡 茂