特定技能で人を受け入れるとき、支援計画書に何を書くか

外国人材の受け入れを決めたのに、書類の段階で止まってしまう。そんな相談はよくあります。ある建設会社の社長も、「支援計画書」という言葉の重さに手が止まっていました。何から書けばいいのか、そもそも何を書く書類なのか、そこがはっきりしないまま時間だけが過ぎている状態です。

様式に沿って書く。自由作文ではない

支援計画書は、出入国在留管理庁が用意した様式に沿って書くものです。会社の言葉で自由に説明する書類ではありません。ここを勘違いしていると、最初の一歩でつまずきます。

相談に来た社長も、最初は「うちの受け入れ方針」を文章でまとめようとしていました。でも様式には決まった項目があって、その順番、その言葉遣いで埋めていく必要があります。

法律用語をそのまま使う場面もあります。分かりやすく言い換えたつもりが、様式の求める表現とずれてしまうこともある。ここは自己判断せず、行政書士や登録支援機関に確認しながら進めた方が安全です。

様式は法改正のたびに変わります。数年前にダウンロードしたひな形をそのまま使うと、古い書式で出してしまう恐れがあります。作業を始める前に、最新版かどうかを確認するところからです。

10項目の義務的支援。どれも「やります」だけでは通らない

特定技能で人を受け入れる会社には、法律で決まった10項目の支援があります。事前のガイダンスから、生活のオリエンテーション、相談や苦情への対応、日本語学習の機会の提供まで。

多くの会社がここで引っかかります。「やります」と一言書いただけでは通らないのです。誰が、いつ、どうやって行うのかを、できるだけ具体的に書く必要があります。

相談に来た社長のところでも、最初の下書きは「相談窓口を設置します」で止まっていました。実際には、担当者は誰か、何語で対応するか、どのくらいの頻度で確認するか、そこまで求められます。

10項目を1つずつ埋めていく作業は、思っている以上に時間がかかります。書類を書く前に、社内で誰が何を担当するのかを先に決めておいた方が、結局は早く進みます。

住居、生活オリエンテーション、日本語学習は特に見られる

10項目の中でも、住居の確保、生活オリエンテーション、日本語学習の機会は、実際の生活に直結する部分です。特に細かく確認される項目でもあります。

住居については、会社が用意するのか、本人が探すのを手伝うのか。家賃や契約の仕組みも書類に落とし込む必要があります。仮に家賃が月8万円の物件だとして、誰が保証人になるのか、そこまで考えておく話です。

生活オリエンテーションは、ゴミの出し方や交通ルールといった基本的な内容を、本人が理解できる言葉で伝えられるかどうかがポイントになります。日本語だけで説明して終わり、では支援になりません。

日本語学習の機会も、「勉強してください」で終わらせず、教材をどう用意するか、学習の時間をどう確保するか、会社としての関わり方を書く必要があります。ここも曖昧なままだと、書類は通りません。

自社で支援するのか、登録支援機関に委託するのか

ここまでの支援を、自社の人員だけでやるのか、登録支援機関に委託するのか。これは早めに決めておいた方がいい選択です。

受け入れ決定 自社で支援 人員・時間を確保 登録支援機関に委託 費用が発生 10項目の支援を実施 定期の届出を継続

自社で支援する場合、人手と時間がかかります。担当者が他の業務と兼務していると、途中で手が回らなくなる。これもよく聞く相談です。

委託する場合は費用が発生しますが、書類作成や実務のノウハウを任せられます。どちらが正解というより、自社の体制と受け入れ人数に合わせて選ぶ話です。

委託した場合でも、支援の中身に会社が無関心でいいわけではありません。定期的な報告を受けて、実際の生活状況を把握しておく。それも会社の役割として残ります。

自社に置き換えると

自社の支援計画書は、最新の様式で作られているでしょうか。数年前のひな形をそのまま使っていないか、一度確認したいところです。

10項目それぞれ、担当者と具体的なやり方を説明できるでしょうか。「やります」だけの一文になっていないか、見直す価値があります。

受け入れ後の定期の届出は、誰がいつ出すか決まっているでしょうか。ここを忘れると、次の受け入れに響くという話もよく聞きます。

支援計画書は、一度書いたら終わりの書類ではありません。定期の届出を忘れると、次に人を受け入れようとしたときに響いてくる。そういう話は珍しくありません。書類の段階で止まっている会社は、まず様式を最新のものに揃えて、10項目を一つずつ、誰が担当するかから決めていく。それだけでも、進み方はだいぶ変わってきます。

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