特定技能の受け入れ方法と、技能実習廃止後に変わること
「技能実習が廃止になるらしいけど、うちにどう関係あるのか分からない」「特定技能で人を採りたいけど、何から手をつければいいのか」。周南市で中小企業の相談を受けていると、この手の質問をよく受けます。制度の名前が変わるだけでなく、受け入れる側の準備も変わります。ここでは実務で確認する順番に沿って整理します。
技能実習「廃止」で、実際は何が変わるのか
技能実習制度は2027年をめどに廃止され、「育成就労」という新しい制度に置き換わる予定です。2024年に関連法が成立し、今は施行に向けて準備が進んでいる段階です。政府の発表は今後も細かく変わる可能性があるので、時期や要件はその都度、最新の情報で確認してください。
育成就労は、人材を育てながら特定技能につなげることをはっきり目的にした制度です。技能実習は建前上「技術移転」が目的でしたが、実際には人手不足を補う働き方として使われてきました。今回の見直しは、その実態と制度の名目を合わせる動きだと考えると分かりやすいです。
現場でよく聞かれるのは「今いる技能実習生はどうなるのか」という質問です。今働いている人が急にいなくなるわけではありません。移行のための経過措置が用意される見込みですが、ここも省庁の発表を都度確認する必要があります。

特定技能とはどういう制度か
特定技能は2019年にできた在留資格で、人手不足の分野で即戦力として働いてもらうための制度です。1号と2号があり、1号は在留期間が最長5年、2号になると更新に上限がなく、家族の帯同も認められます。対象分野は年々見直されているので、自社の業種が対象かどうかは所管省庁の最新情報で確認してください。
技能実習と大きく違うのは、転籍のしやすさです。技能実習は基本的に同じ受け入れ先で働く前提でしたが、特定技能は一定の条件を満たせば同じ業種内で転職できます。「せっかく育てたのに他社に移られたら」と心配する経営者は多いです。定着してもらえる環境かどうかが、これまで以上に問われる制度だと考えておいた方がいいです。
受け入れるには、本人が技能試験と日本語試験に合格しているか、技能実習2号を良好に修了しているかのどちらかが必要です。企業側も分野ごとの基準を満たし、協議会に加入するといった手続きが要ります。分野によって条件が細かく違うので、この記事だけで判断せず、対象分野の所管省庁の案内を確認してください。
受け入れ体制、何を整える必要があるか
特定技能で受け入れる場合、企業には「支援計画」を作って実行する義務があります。生活オリエンテーション、日本語学習の機会の提供、相談窓口の設置など、10項目前後の支援が求められます。自社で全部担うのが難しければ、登録支援機関に委託する方法もあります。
ここでつまずく人が多いのは、「受け入れたら終わり」だと思っていることです。実際は住居の確保、生活面のフォロー、通訳や相談の体制など、受け入れてからの方が手間がかかります。求人を出す前に、誰が何を担当するか社内で決めておくと、後がだいぶ楽になります。
就労のミスマッチも起きやすいところです。日本語のレベル、生活習慣の違い、想定していた業務内容とのズレ。小さな行き違いが積み重なると、早期の離職につながります。定期的な面談の場を先に用意しておくことを、現場ではよくすすめています。
費用と手続きの流れの目安
受け入れにかかる費用は、送り出し機関への手数料、日本語教育の費用、登録支援機関への委託費、住居の初期費用など、複数の項目にまたがります。技能実習からの切り替えなのか、新規の採用なのかでも金額は変わります。金額の目安は年度で見直されることが多いので、必ず最新の公募要領や案内で確認してください。
手続きの順番は、大きくは「求人・マッチング」「在留資格の申請」「入国・生活準備」「就労開始」「支援計画の実行」という流れです。在留資格の審査には数か月かかることもあるので、採用したい時期から逆算してスケジュールを組む必要があります。
制度の細かい要件、必要書類、手数料の金額は年度で変わります。ここで書いた内容も執筆時点のものとして読んでいただき、実際に進める際は出入国在留管理庁や分野所管省庁の最新情報を必ず確認してください。
自社に置き換えると
今の人手不足がどの工程で起きているか、まず切り分けてみてください。単純に人数が足りないだけなのか、経験を積んでほしい仕事なのかで、選ぶ制度も準備の中身も変わってきます。受け入れた後、生活面や相談の窓口を誰が担当するか、社内で決まっているでしょうか。転籍が起きても困らないように、働き続けたいと思ってもらえる環境になっているかどうかも、一度振り返っておく価値があります。
制度の変わり目は情報が多く、どこから手をつければいいか分かりにくいものです。合同会社RYDEENでは、受け入れ体制の整理や社内の役割分担を一緒に考えるお手伝いをしています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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