会社をたたむのとM&Aで譲るの、どちらが親のためになるか

「もう歳だから会社をたたもうと思う」。親からそう言われて、下松市や光市、周南市の後継ぎの方から相談を受けることがよくあります。たたむのと、誰かに会社を譲るの、どちらが親のためになるのか。この記事では廃業の費用や手続き、中小企業のM&Aの流れと相場を整理します。

廃業という選択、手続きと費用はどれくらいか

会社をたたむには順番があります。株主総会での解散決議、解散登記、清算人の選任、官報での公告、債権者への申告催告、資産の整理と清算結了登記。ここまで進めて、ようやく会社が消えます。官報公告には2か月ほどの期間が必要なので、思い立ってすぐ終わる話ではありません。

費用も見ておきたいところです。解散と清算結了の登記費用で数万円、官報公告費用が3万円前後。ここに税理士や司法書士への依頼費用が加わり、総額で数十万円から百万円ほどかかる例が多いです。在庫や設備の処分費用、店舗や工場の原状回復費用が乗ると、もっと膨らみます。金額は年度や地域、専門家への依頼範囲で変わるので、ここでの数字は目安として見てください。

廃業の相談でよく聞かれるのが「いつから準備すればいいか」という質問です。決算のタイミングや在庫の量、従業員への説明期間を考えると、半年から1年前には動き出したいところです。急いで畳もうとすると、在庫の投げ売りや取引先への説明不足でトラブルになりがちです。

会社を譲るという選択、中小企業のM&Aとは

M&Aというと大企業の話に聞こえるかもしれませんが、いまは中小企業でもごく普通に選ばれる方法になっています。後継者がいない、子どもは継ぐ気がない、そういう会社を同業や異業種の会社が引き継ぐ形です。周南市や山口県内でも、後継者不在を理由にしたM&A相談は増えています。IT企業の間でも、人材や技術ごと会社を引き継ぐM&Aの事例が目立つようになりました。

メリットは何と言っても雇用が続く可能性があることです。廃業だと従業員は全員解雇になりますが、譲渡なら働く場所が残ります。屋号や取引先との関係も、形を変えて続くことが多いです。親にとっても「自分の代で終わらせてしまった」という気持ちを持たずに済みます。

一方でデメリットもあります。経営権は手放すことになりますし、希望の金額で売れるとは限りません。買い手が見つからなければ、結局は廃業に戻ることもあります。M&Aは必ず売れるものではなく、相手あっての話だと理解しておく必要があります。

廃業とM&A、親にとって何が違うか

ここでつまずく人が多いのが、従業員と取引先の扱いです。廃業なら、従業員には解雇を伝え、退職金や離職票の手続きをします。取引先には契約終了の連絡をして、在庫や仕掛かりの精算をします。

M&Aの場合、従業員がどうなるかは基本合意の段階で条件をすり合わせます。全員の雇用を引き継ぐケースが多いですが、必ずそうなるとは限りません。最終契約が済むまでは社内にも話せないことがほとんどです。情報が漏れると動揺や離職につながるので、社員に伝えるタイミング、取引先に挨拶するタイミングは、仲介会社と一緒に慎重に決めていきます。

親の気持ちの面でも違いがあります。廃業は自分の代で店を閉じるという区切りになります。譲渡は誰かが看板を引き継いでくれるという形が残ります。どちらが正解ということはなく、親が何を大事にしたいかで選ぶ道は変わります。

M&Aの流れと仲介の選び方

M&Aの主な流れ 秘密保持 契約 基本合意 デュー デリジェンス 最終契約 条件が合わなければ、途中で交渉を終えることもあります

M&Aは思いつきで進む話ではなく、いくつかの段階を踏みます。まず仲介会社と秘密保持契約を結び、会社の情報を社名が分からない形(ノンネーム)で買い手候補に紹介します。興味を持った相手と条件のすり合わせをして、基本合意を結びます。そのあとにデューデリジェンスという、買い手側が財務や契約内容を細かく調べる工程が入ります。ここで簿外債務や労務のリスクが見つかると、条件が変わることもあります。すべて整えば最終契約です。

仲介の選び方でよく聞かれるのが手数料の相場です。着手金がかかる会社とかからない会社があります。成功報酬はレーマン方式という、譲渡金額の階層ごとに料率が下がっていく計算方法を使う会社が多いです。相場としては譲渡金額の5〜10%程度、最低報酬額を100万円台から数百万円で設定している会社もあります。数字は会社ごとに幅があるので、契約前に見積もりを書面でもらって比べることをおすすめします。

買い手の探し方も仲介会社によって違います。地元のネットワークを持つ会社、全国のマッチングサイトを使う会社、業種特化の会社。自社の業種や規模に合った探し方をしてくれるかどうかは、選ぶときに確認したいポイントです。

周南市・下松市・光市で相談するなら

山口県内でM&Aの相談先を探すと、商工会議所や事業承継・引継ぎ支援センターといった公的な窓口と、民間の仲介会社があります。公的窓口は無料で使えますが、案件によっては民間仲介への橋渡しになることもあります。誰に相談するか迷ったら、まず無料相談をしているところに話を聞きに行くのが早いです。

周南市、下松市、光市はものづくりや卸小売の会社が多い地域です。買い手は同業の会社だったり、県外から事業を広げたい会社だったりします。地元での取引関係を大事にしたい会社は、地域の事情が分かる相手に相談したほうが話が早いこともあります。

反対に、業種によっては県外や全国の買い手のほうが条件が合う場合もあります。仲介会社を選ぶときは、その会社が地元と全国、両方のネットワークを持っているかも確認したいところです。

自社に置き換えると

ここまで読んで、自分の会社に当てはめて考えてみてください。今の会社は、たたんだ場合と譲った場合で、従業員は何人残せそうですか。廃業にかかる費用と、譲渡できた場合に手元に残るお金、どちらが親の老後にとって現実的でしょうか。そして親自身は、自分の代で終わらせることと誰かに引き継いでもらうこと、どちらの気持ちに近いでしょうか。

答えを急いで出す必要はありません。ただ、廃業もM&Aも準備には時間がかかります。決算書や在庫、取引先との契約内容を、まず整理してみることから始めてみてください。

合同会社RYDEENでは、M&A・事業承継の相談を無料で受けています。初期費用は50万円(税抜)、成功報酬は譲渡金額の10%から・最低100万円(税抜)で、取引が成立しなければ成功報酬はかかりません。料金を先に示す方針にしています。周南市河東町の事務所で、平日10時から18時まで相談を受け付けています。

会社の先を、考えはじめたら

後継者のこと、株のこと、社員の雇用のこと。まだ決めていない段階のご相談がいちばん多いです。社名を伏せたままで構いません。

会社を譲ることを考えはじめた方へ

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