決算書の読み方 社長が見るべき数字は5つでいい
決算書を渡されても、どこを見ればいいのか分からない。そんな相談をよく受けます。表がびっしり並んでいて、読む気が失せる社長も多いです。実は毎回チェックする数字は5つで足ります。順番に見ていきます。
決算書の見方、まず2枚の紙を分けて考える
決算書と一口に言いますが、中身は大きく2つに分かれます。損益計算書と貸借対照表です。略してPLとBSと呼ばれることもあります。
損益計算書は、1年間の成績表です。売上がいくらで、経費がいくらで、いくら儲かったか。1年ごとにリセットされる数字です。
貸借対照表は、ある一時点での会社の体力を表します。決算日の時点で、財産がどれだけあって、借金がどれだけ残っているか。創業からの積み重ねがそのまま出ます。
この2枚のどこを見るかで、社長が押さえるべき数字は5つに絞れます。損益計算書から3つ、貸借対照表から2つです。

損益計算書の見方、まず粗利率を見る
損益計算書でまず見るのは粗利率です。売上から仕入れや原価を引いた粗利益が、売上の何パーセントかという数字です。
粗利率の目安は業種でかなり違います。例えば、製造業や小売業だと20〜30%台、飲食業だと60〜70%台になることが多いです。ここでつまずく人が多いのですが、他社の平均と比べても実はあまり意味がありません。自社の3年前、5年前と比べる方が効きます。下がっていれば、価格か仕入れのどちらかに手を打つ時期です。
限界利益と労働分配率、損益分岐点までひとつながりで見る
次に見るのが限界利益です。限界利益とは、売上から変動費を引いた金額のことです。変動費は仕入れや外注費など、売上が増えれば一緒に増える経費を指します。粗利益とほぼ同じ意味で使われる会社も多いです。
ここで一緒に見ておきたいのが労働分配率です。限界利益のうち、人件費が何パーセントを占めているかという数字です。よく聞かれるのは目安ですが、業種にもよるものの50〜70%くらいに収まっていれば無理のない範囲というのが実感です。80%を超えてくると、売上が伸びても利益が残りにくい体質になっています。
限界利益から固定費、家賃や人件費、水道光熱費などを引いて残るのが利益です。固定費をちょうど払いきれるライン、これが損益分岐点です。ここまでで粗利率、労働分配率、損益分岐点と、決算書で見る数字が3つ出てきました。残る2つは貸借対照表にあります。
貸借対照表の見方、自己資本比率で体力を見る
貸借対照表で見るのは自己資本比率です。会社の全財産のうち、借金ではなく自分たちで積み上げてきたお金がどれくらいの割合かを示します。
自己資本比率の目安は、2026年時点でよく言われる感覚では、中小企業だと30〜40%あれば標準的、50%を超えていればかなり安定していると言われます。10%を切ってくると、金融機関からの評価にも響きやすくなります。数字の意味自体は年度で変わるものではないので、目安として持っておいて大丈夫です。
自己資本比率が低い会社が悪いわけではありません。創業から日が浅い会社や、設備投資を積極的にしてきた会社は、一時的に低くなります。ただ、3年、5年とさかのぼって比率が下がり続けているなら、原因を確認しておいた方がいいです。
借入と返済のバランス、資金繰りの数字
5つ目は、借入金の残高と、年間の返済額のバランスです。決算書に載っている数字というより、決算書から拾って毎年見ておく数字です。
目安としてよく使われるのが、借入金残高を年間のキャッシュフロー、だいたい税引後利益に減価償却費を足した額で割った数字です。これが10年を超えてくると、返済の負担が重くなっていることが多いです。ここは金融機関も見ているポイントなので、社長本人が把握していないと話が噛み合わなくなります。
自社に置き換えると
決算書が手元にあれば、まず粗利率を3期分並べてみてください。上がっているか下がっているか、それだけでも見え方が変わります。
労働分配率は何パーセントになっていますか。人を増やした年、給与を上げた年と照らし合わせると、無理のある水準かどうか分かります。
自己資本比率は何パーセントで、3年前と比べて上がっていますか、下がっていますか。借入の残高と、毎年の返済額のバランスも合わせて確認しておきたいところです。
数字を並べるだけなら難しくありません。ただ、自社の数字がどの水準にあるのか、何から手を付けるべきかは、外から見た方が分かりやすいこともあります。RYDEENでは、決算書の数字を一緒に整理しながら、次に何をするか考える相談を受けています。
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