経営計画の作り方とは 中小企業が失敗しないための手順とチェックリスト

「経営計画を作ってください」と銀行や商工会議所から言われて、何から手をつければいいのか分からなくなる方によく会います。テンプレートを埋めてはみたものの、数字を並べただけで終わってしまう。作った計画書が引き出しにしまわれたまま、という話も珍しくありません。経営計画は誰のために作るのか。この問いに答えられないまま作業に入ると、途中で手が止まります。

経営計画の作り方とは、まず何を指すのか

「経営計画 作り方」で検索する方の多くは、書式や項目を知りたいのだと思います。ただ、書式を知る前に決めておきたいことがあります。それは、この計画を誰が読むのかということです。

銀行に出す計画と、社員に配る計画は、書く内容も言葉の選び方も変わります。銀行向けなら返済原資となる利益をどう積み上げるかが軸になります。社員向けなら、来年うちの会社がどこへ向かうのか、給料や仕事はどう変わるのかが軸になります。

ここでつまずく人が多いです。両方を一枚の書類で兼ねようとして、数字だけの資料になってしまう。数字は大事ですが、数字だけ見せられても社員は動きません。経営計画の作り方の事例を探す方もいますが、他社の事例をそのまま当てはめても、自社に合うとは限りません。自社の現状に合わせて作る方法を考えた方が、結局は早く進みます。

経営計画とは、将来の数字の予測ではなく、これから何をするかを決めて共有する道具だと考えると整理しやすくなります。中期経営計画という言葉を使う場合、中小企業では3年から5年で区切ることが多いです。ただし年数に決まりはありません。会社の状況に合わせて1年でも構いません。

経営計画の作り方 チェックリスト——何から手をつけるか

順番に迷う方のために、よく案内している流れを挙げます。

一つ目は、理念や自社の方向性を言葉にすることです。何のために会社を続けるのか、誰の役に立ちたいのか。ここを飛ばして数字に入ると、後で計画がぶれます。

二つ目は、現状を把握することです。直近3期分の決算書、月次の試算表、主要な取引先の一覧をそろえます。ここまでは自社でできる作業です。

三つ目は、数値計画を作ることです。売上、粗利、固定費、利益を年度ごとに置きます。根拠のない数字を並べても意味がないので、一つ一つに「なぜその数字なのか」を書き添えます。

四つ目は、行動計画に落とすことです。誰が、いつまでに、何をするか。ここが具体的でないと、計画書は絵に描いた餅で終わります。五つ目は、半年か1年ごとに振り返ることです。作って終わりにせず、数字と行動を照らし合わせる時間を決めておきます。

ここまでの流れを図にすると次のようになります。

理念の作り方——経営計画の土台

理念の作り方を先に聞かれることもあります。難しく考える必要はありません。

例えば、創業のときに何を大事にしていたか、なぜこの仕事を選んだのかを思い出すところから始める、だとします。きれいな言葉を探すより、自分の言葉で書いた方が後々ぶれません。

理念は一度作ったら終わりではありません。社員が増えたり、事業の中身が変わったりすれば、見直す時期が来ます。3年に一度くらいは読み返すことをお勧めしています。

理念が定まっていると、数値計画の優先順位を決めるときに迷いが減ります。利益を優先するか、雇用を維持することを優先するか。理念があれば、その場その場で判断がぶれにくくなります。

経営計画の作り方 メリットとデメリット

メリットとデメリットを整理しておきます。

メリットは、判断の基準ができることです。日々の忙しさの中で、目の前の仕事に追われていると、何のためにこの仕事をしているのか見失いがちです。計画があると、そこに立ち返れます。銀行や取引先への説明もしやすくなります。

デメリットは、時間がかかることです。数値計画だけなら数日でできますが、理念から丁寧に作ると1か月以上かかることもあります。忙しい時期に始めると、途中で止まってしまう方もいます。

もう一つのデメリットは、作った計画が現実と合わなくなることです。市場が急に変わったり、取引先の状況が変わったりすると、計画通りにいかないことは普通にあります。計画は変えてはいけないものではなく、状況に合わせて直すものだと考えておくと気が楽になります。

誰に相談するか、無料でどこまでできるか

経営計画の作り方を誰に相談すればいいか、という質問もよく受けます。

商工会議所や商工会は、無料で相談に乗ってくれる窓口があります。まずはここで基本的な進め方を聞くのも一つの方法です。税理士は数値計画や資金繰りの相談に強みがあります。ただし、計画の中身そのものを一緒に考える時間までは取りづらいこともあります。

弊社RYDEENのような立場の会社は、理念の整理から数値計画、行動計画まで、社長の話を聞きながら一緒に整理していく役回りです。税務の代理や書類の代理作成は行っていません。そこは税理士や社労士の領域になります。

どこに相談するにしても、最初に「何のために計画を作るのか」を伝えておくと、無駄なやり取りが減ります。

自社に置き換えると

ここまで読んで、自社の場合はどうなるか考えてみてください。

今の計画書は、銀行向けと社員向け、どちらを意識して作られていますか。理念は最後にいつ言葉にしましたか。社員に説明できる形になっていますか。数値計画の裏には、行動計画が具体的にひも付いていますか。誰が何をいつまでにやるか、書いてありますか。

経営計画は、作ることが目的ではなく、作った後に使い続けることに意味があります。何から手をつけていいか分からない、理念の言葉が出てこないという場合は、RYDEENでも相談を受け付けています。まずは現状を一緒に整理するところから始められます。

中小企業の、味方でいたい

周南の9人の若者が、地元の中小企業の現場に入って一緒に考えます。若者・バカ者・よそ者の会社です。

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