会社を売りたいと思ったら最初に確認する5つのこと

「そろそろ会社を売りたい」と考え始めても、何から手をつけていいか分からない。そういうご相談をよく受けます。跡継ぎがいない、体力的にきつくなってきた、同業に譲って事業だけは残したい。理由は人それぞれですが、最初の一歩でつまずく方がとても多いです。この記事では、会社を売ると決める前に確認しておきたい5つのポイントを、順番に整理します。

会社を売りたいと思ったら、いつから動くべきか

「会社を売りたい」と思った日と、実際に売れる日には、だいたい1年から3年の差があります。ここでよくつまずくのが、決めてからすぐ売れると思ってしまうことです。買い手を探して、条件をすり合わせて、契約書を作って引き継ぐ。この一連の流れを踏むので、急いでいる方ほど早めに動いた方がいいです。

業種によっても準備期間は変わります。例えば、IT企業なら技術者が辞めないうちに、クリニックや歯科医院なら患者さんが離れないうちに、というように「今の状態が保てているうち」に動き始めた方が有利です。介護事業所や保育園のように許認可が絡む業種は、引き継ぎの手続きにも時間がかかります。

逆に、決算の数字がまだ整っていない、借入がどれくらい残っているか把握できていない、という段階なら、売却の話より先に社内の数字を整理する方が先です。ここは焦らなくて大丈夫です。

株式譲渡と事業譲渡、何が違うのか

会社を売る方法は、大きく分けて株式譲渡と事業譲渡の2つです。株式譲渡は、オーナーが持っている自社株を買い手に渡す方法です。会社そのものが丸ごと引き継がれるので、許認可や取引先との契約もそのまま残ります。株式譲渡の手続きは、株主総会での承認や譲渡契約の締結が中心になります。

事業譲渡は、会社の中の一部の事業だけを切り出して売る方法です。例えば、複数の店舗を持つ小売業や飲食店で、一部の店舗だけを譲渡するケースに向いています。ただし契約や許認可を個別に引き継ぐ手続きが必要になるので、株式譲渡より手間がかかることが多いです。

どちらを選ぶかは、会社の状態と買い手の希望次第です。建設業や運送業、電気工事業のように許認可が事業継続の前提になっている業種は、株式譲渡の方がスムーズに進みやすい傾向があります。ここは専門家と一緒に、自社の場合はどちらが合うか整理していくのが現実的です。

①目的を 整理する ②相場感を つかむ ③譲渡方法を 選ぶ ④従業員と税金を 確認する ⑤相談先を 決める

会社の売却相場はどう決まるのか

相場を聞かれることがとても多いのですが、正直なところ「業界の平均」だけでは決まりません。利益がどれだけ安定しているか、取引先がどれだけ分散しているか、社長一人に業務が集中していないか。この辺りで金額は大きく変わります。

目安としてよく使われるのが、直近の利益に数年分を掛けて、そこに純資産を足す考え方です。ただしこれはあくまで目安で、旅館やホテルのように設備の状態が価格に影響する業種や、製造業や金属加工業、水産加工業のように機械設備の評価が絡む業種は、個別に見ていく必要があります。士業事務所や学習塾のように、人が資産の中心になる業種も同じです。

売る側のメリットは、後継者不在の悩みが解決すること、従業員の雇用先が残ること、個人保証から外れられることです。デメリットは、社名や社風が変わる可能性があること、経営から離れる寂しさを感じる方が多いことです。どちらも事前に想像しておくと、後で気持ちの整理がしやすくなります。「具体的な事例を知りたい」という声もよく聞きますが、個別の事情が絡む話なので、そのまま他社に当てはめられるものではありません。

従業員と税金、後回しにできない2つの論点

従業員の雇用がどうなるか。これは経営者が一番気にされるところです。株式譲渡であれば、雇用契約はそのまま会社に残るので、基本的に労働条件は変わりません。事業譲渡の場合は、従業員一人ひとりと契約を結び直す必要が出てきます。保育園や介護事業所のように、人手の確保がそのまま事業の継続に関わる業種では、ここの説明の仕方がとても大事になります。

税金については、株式譲渡だとオーナー個人に譲渡所得税がかかります。2026年時点でよく使われている税率は、所得税・住民税・復興特別所得税を合わせて20.315%です。ただし税制は年度で変わるので、実際の申告では必ず税理士に最新の内容を確認してください。

事業譲渡の場合は、会社側に法人税がかかる形になります。どちらが有利かは会社の状況や譲渡金額によって変わるので、一律には言えません。税務の判断は税理士の領域なので、私たちが数字を代わりに出すことはできませんが、一緒に論点を整理することはできます。

誰に、いつ相談すればいいのか

「誰に相談すればいいか分からない」という声もよく聞きます。M&A仲介会社、税理士、金融機関、商工会議所など、窓口はいくつもあります。どこか1つに決め打ちする前に、無料相談で複数の話を聞いてみるのがいいと思います。

失敗しやすいパターンとして多いのは、料金体系が分からないまま話を進めてしまうことです。初期費用だけ払って、その後の成功報酬の条件があいまいなまま契約してしまうケースがあります。契約前に、初期費用と成功報酬の金額、それぞれの発生条件を紙で確認しておくと安心です。

相談するタイミングは、「本気で売ると決めてから」ではなく「頭の片隅にあるうち」で構いません。不動産業や自動車整備業、卸売業のように、取引先との関係が資産価値に直結する業種ほど、早めに相談して準備期間を確保した方がいいです。

自社に置き換えると

ここまで読んで、自分の会社に当てはめて考えてみてください。今の利益は、社長が抜けても続く仕組みになっているか。株式譲渡と事業譲渡、どちらが自社の許認可や取引先との契約に合っているか。従業員に話すタイミングは、いつが適切か。この3つは、動き出す前に一度整理しておく価値があります。

会社を売る・譲るという決断は、一人で抱え込むには重い話です。合同会社RYDEENでは、M&A・事業承継のご相談を無料で受けています。初期費用は50万円(税抜)、成功報酬は譲渡金額の10%から・最低100万円(税抜)で、取引が成立しなければ成功報酬はかかりません。まずは今の状況を、一緒に整理するところから始めてみませんか。

会社の先を、考えはじめたら

後継者のこと、株のこと、社員の雇用のこと。まだ決めていない段階のご相談がいちばん多いです。社名を伏せたままで構いません。

会社を譲ることを考えはじめた方へ


\ 最新情報をチェック /